

姿勢にお悩みの方の多くは、いきなり「何をやるか」から始めてしまいます。
「ネットで見つけた体操動画を自己流で続ける」
「猫背に効くと宣伝している整体を受けに行く」
「ジムで自己流の筋力トレーニングやストレッチを行う」
姿勢を良くするために行動すること自体は、決して悪いことではありません。
しかし、大切なのは、その方法が一般的に良いといわれているかどうかではありません。
現在の自分の身体に合っているかどうかです。
同じ猫背や反り腰に見えても、筋肉の使い方や関節の動かし方は一人ひとり異なります。
身体の状態が違えば、必要な施術や運動も変わります。
原因を調べずに方法だけを選ぶと、頑張って続けても思うような変化につながらないことがあります。
一般的に良い方法でも、自分に合うとは限りません
猫背が気になると、猫背改善の体操を探す。
反り腰が気になると、反り腰に良いとされるストレッチを行う。
肩こりがあると、肩甲骨を動かす運動を始める。
このように、悩みの名称から方法を探している方は多いと思います。
しかし、「猫背」「反り腰」「肩こり」という言葉だけでは、身体の中で何が起きているのかまでは分かりません。
同じ猫背でも、筋肉の使い方の偏りが違えば、必要な方法は異なります。
同じ反り腰でも、関節の動かし方や負担が集中している場所によって、対処は変わります。
そのため、誰にでも同じ運動や施術を行えばよいわけではありません。
一般的に良いといわれている方法でも、現在の身体に合っていなければ、十分な変化を感じられないことがあります。
自己流の体操で変わらない理由
インターネットや動画には、さまざまな姿勢改善の方法があります。
「この運動で猫背が良くなる」
「このストレッチで反り腰を改善できる」
といった内容も多く見られます。
しかし、その動画はあなたの身体を分析して作られたものではありません。
- どの筋肉を使いすぎているのか。
- どの筋肉が十分に使えていないのか。
- どの関節の動きに偏りがあるのか。
こうした個別の状態を確認せずに作られた一般的な方法です。
身体に合った運動であれば、役立つこともあります。
一方で、身体の使い方のクセが残ったまま運動すると、いつも使っている筋肉ばかりを使ってしまうことがあります。
本来使いたい筋肉ではなく、すでに負担がかかっている筋肉をさらに使ってしまうのです。
その結果、
- 頑張っているのに姿勢が変わらない。
- 運動すると別の場所がつらくなる。
- 一部の筋肉ばかりが張る。
といった状態になることがあります。
猫背専門や骨盤矯正なら安心なのでしょうか
- 猫背に特化した整体。
- 骨盤矯正専門の施術。
- 肩甲骨を動かす施術。
名称だけを見ると、自分の悩みに合っているように感じます。
しかし、猫背になっている原因を調べず、猫背の人へ同じ施術を行っているのであれば、それが現在の身体に合っているとは限りません。
猫背という見た目だけを整えても、その姿勢を作っている身体の使い方が変わっていなければ、日常生活の中で再び元の状態へ戻ります。
大切なのは、
猫背だから何をするか。
反り腰だから何をするか。
ではありません。
なぜ自分の身体が、その姿勢になっているのかを確認することです。
筋力をつけるだけでも不十分です
姿勢が悪いのは筋力が弱いからだと考え、筋力トレーニングを始める方もいます。
もちろん、姿勢を支えるうえで筋力は必要です。
しかし、筋肉を強くすることと、その筋肉を正しく使えることは同じではありません。
筋力トレーニングをしていても、身体の使い方に偏りがあれば、狙った筋肉とは違う場所を使って運動してしまうことがあります。
身体は、普段から使い慣れている動きで運動しようとします。
そのため、日常生活で偏った筋肉の使い方をしている方が、そのまま強い負荷をかけると、偏りがさらに大きくなる可能性があります。
運動を始める前に、まず身体がどのように使われているのかを確認することが大切です。
姿勢改善の基本となる3つの流れ
姿勢改善では、次の順番が基本になります。
- 姿勢が崩れている原因を調べる
- 偏った身体の使い方のクセを見つける
- これ以上負担が蓄積しないように、身体の使い方のクセそのものを修正する
この順番を飛ばし、いきなり施術や運動を始めると、現在の身体に必要なことと、実際に行っていることが一致しない可能性があります。
反対に、現在の状態を調べれば、何を整え、何を動かす必要があるのかが分かりやすくなります。

1.姿勢が崩れている原因を調べる
最初に、現在の身体の使い方を確認します。
姿勢の見た目だけではなく、
筋肉の使い方にどのような偏りがあるのか。
関節の動かし方にどのような偏りがあるのか。
歩くときに、身体をどのように使っているのか。
どこへ負担が蓄積しているのか。
を調べます。
現在の状態を調べることで、これまで施術や運動を続けても変わりにくかった理由が見えてくることがあります。
2.偏った身体の使い方のクセを見つける
次に、身体のどこへ偏りがあるのかを確認します。
一部の筋肉ばかりを使っている。
本来使われるべき筋肉が十分に働いていない。
一部の関節ばかりが動いている。
本来動くべき関節が十分に動いていない。
このような偏りがあると、身体は別の部分で動きを補います。
本人は普通に身体を使っているつもりでも、無意識のうちに偏りが起きていることがあります。
だからこそ、現在の身体の使い方を見える形にして確認することが重要です。
3.身体の使い方のクセそのものを修正する
原因と偏りが分かったら、その偏りを作っている身体の使い方を修正していきます。
筋肉をほぐすだけではありません。
関節を整えるだけでもありません。
身体を動かしやすい状態へ整えたうえで、これまで使えていなかった筋肉や関節を使い、全身を連動させる動きを身につけます。
施術によって一時的に身体が整っても、日常生活で以前と同じ使い方を続ければ、負担は再び蓄積します。
そのため姿勢改善では、身体を整えることと、身体の使い方を変えることの両方が必要です。
魔法のテクニックがあるわけではありません
一回受ければ、すべての姿勢が変わる。
この体操だけ行えば、猫背も反り腰も良くなる。
一つの筋肉をほぐせば、身体全体が整う。
そのような魔法のテクニックがあるわけではありません。
長い期間をかけて身についた身体の使い方のクセは、原因を調べ、必要な部分を整え、新しい動きを繰り返し身につけていく必要があります。
- 原因を調べる。
- 偏りを見つける。
- 身体の使い方を修正する。
この流れが、現実的に姿勢と身体への負担を改善していくための基本です。
身体の一部分だけを見ても、姿勢は変わりません
身体の使い方のクセを修正するためには、肩、腰、骨盤など、一部分だけを見るのでは不十分です。
私たちの身体は、筋肉や関節をそれぞれ別々に使っているわけではありません。
歩くときも、立つときも、全身を連動させて動いています。
この連動がどこかで失われると、別の場所へ負担が集中します。
次のSTEP3では、姿勢を良くするために必要な、全身の筋肉と関節の連動について詳しくご説明します。




